あさえとちいさいいもうと 筒井頼子 さく 林 明子 え
あらすじ
おかあさんがでかけている間に起こってしまうハプニング。家の前で一緒に遊んでいたはずのあさえの妹、あやちゃんが姿を消してしまいました。必死で捜すあさえ。いつも行く公園で無事あやちゃんを発見しました。
約5分。
1979年発行。
読み聞かせのコツ①タイトルを読む。
まずは表紙のタイトル、作者名を読みます。表紙をめくって、扉にも同じことが書かれていますが、ここではタイトルだけをもう一度読みます。
↑扉(表紙の次にあるタイトルなどが書かれたページ)
林明子さんのやさしい絵のタッチがかわいらしいですね♪
あさえが家の前で遊んでいるとおかあさんが、あやちゃんが寝ているあいだに「銀行に行ってくる」と。
よくある日常ですね。
けれども、あやちゃんは起きてきてしまいます。
「よし よし、あやちゃん。
おねえちゃんが あそんであげる。
さあ おいで」
あさえはやさしいおねえさん、と印象づけましょう。
読み聞かせのコツ②前フリをしっかり。
「あやちゃん、しゅっぽ しゅっぽ、しましょ」
あさえはあやちゃんのために道にチョークで線路を夢中で描き始めます。
この場面は事件が起きる前のフリです。
読み手は次の展開がわかっているから、ついこの場面を
「あらあら、そんなに夢中になってていいのかな…」と思わせぶりな感情が入ってしまいがちですが、逆です。あやちゃんのために、一生懸命描いてるんだな~、どんな線路が出来るかな~、とそっちのわくわく感、期待感を持たせましょう。
楽しくチョークでお絵描きしている様子を表現しましょう。
読み聞かせのコツ③緊迫感MAX。
「さあ、あやちゃん できました」
あさえがようやく顔をあげると
あやちゃんが いません。
一瞬で空気を変えます!緊迫感をMAXに!
必死にダッシュ!
公園に行ったと推理し、走って向かいます。
遠くに小さな女の子をみつけ、
「あやちゃん!」
あさえは おおきな こえで よびました。
対象は遠くにいるのです。大きな声で呼びかけましょう。
でも…全然知らないよその子でした。
こんども…よその子。
読み聞かせのコツ④走りながらのセリフ。
あさえは また かけだしました。
「あやちゃん あやちゃん
あやちゃん あやちゃん……」
駆けながらのセリフ。つぶやいているのでしょう。念仏のように名前を唱えている感じでしょうか。泣きそうになってしまってるかも知れません。
大声で叫んでいると解釈されたかたもいるでしょう。もちろんどのような解釈でもOK。叫びながら、絶叫しながら、泣きわめきながら、などいろいろ練習してみてください♬でも、お笑いになってはいけません。
走っていると、呼吸や息遣いはどうなるでしょう?あさえはずーっと走ってますよね。加えて、どきどき。緊張の鼓動。それらも踏まえての「あやちゃん あやちゃん…」です。
読み聞かせのコツ⑤緊張と緩和。
やっと こうえんに つきました。
「いた!」
こうえんに、あやちゃんが いました。
すなばに しゃがんで、
あそんでいました。
こんどこそ まちがいなく、
あやちゃんです。
いや~~よかった!緊迫から一転、安堵に。
子どもを見つけたときの「いた!」はあなたならどんな感じになるでしょう?
●もー!こんなところに!(怒)
●はぁぁ…よかった…(涙)
●ふぅ~やれやれ…!(脱力)
などなど…
ちなみにわたしは眉間にシワを寄せて、「いるじゃぁ~~ん…!」と心でツッコミ、ホッとチカラが抜ける感じになりますね。
あさえは ものもいわず、あやちゃんにかけよりました。
あさえに きがつくと あやちゃんは にこっと わらって
すなだらけの てを あげました。
わかります。わたしも、黙って近づくでしょう。大声だしたり感情的になると、びっくりさせちゃいますもんね。
読み聞かせのコツ⑥最後のページまでじっくり。
↑奥付には文はありませんが、しっかり見せて。
↑ 裏表紙(汚れていてすみません…)
裏表紙も、ストーリー的につながりがある絵ですね。ちなみに表示されている定価は1982年発売当時のものです(笑)
「お母さんと合流してんじゃん」などど、言いたくなりますが、書かれていないことを勝手につけたしてはいけません。
無言でじっくり見せて、そしてそっと本を下ろします。「おしまい」と言ってもいいです。
個人的感想 関係ないけどうちの息子のエピソード!
いかがでしたか?共感のもてるあるあるなお話ですが、小さな女の子の責任感と妹への愛情に胸熱ですね。
絵本とはまったく話は違いますが思い出したことが!
我が家の息子たちが1歳と4歳のときのエピソードなんですが…。
お風呂にいれようとしていて、わたしが目を離した一瞬、1歳の息子が湯船に頭からどぼんと転落。
先に湯船につかっていた4歳の息子は「あれ?」と、湯船の底に沈む弟をじーっと見ていたそうですが、「浮いてこないな~…」と思って、よっこらせ、と引き上げてくれたそうです。
わたしが現場に戻ったときは、1歳の子は頭からずぶぬれ状態で湯舟の中に立っていました。「なんで??」と思ったのですが、泣いてもいなかったし当時の4歳の息子は無口で、状況を詳しく解説してくれることはありませんでしたので「ま、いっか」とスルーしました。
大きくなってからその話をきいて「ひぇ~!自力で浮かんでこなかったの⁉命の危機だったんだ!じゃあ、兄は弟の命の恩人じゃん!」とあとからビックリ!
オトナになった現在、弟は兄に頭があがらない…なんてこともなく、逆にコキ使っています(笑)ひでぇな弟。
脱線してしまいましたが、お兄ちゃんお姉ちゃんの、弟妹を思って助ける…こんな経験、山ほどあるあるなんでしょうね笑笑
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