おつきさまこんばんは 林 明子 さく
あらすじ
まんまるおつきさまに声をかけます。「おつきさま こんばんは」
雲が隠そうとしますが、すぐに晴れておつきさまは笑っています。
約1分。
読み聞かせをより深めるには…
読み聞かせをより深めるには、物語りのウラを掘り下げていろんな角度から見てみることです。そのためのメソッドに教材としてぴったりの一冊です♪
あなたなら、おつきさまにどう呼びかけますか？
おつきさま こんばんは
どんな感じで呼びかけますか？
- おつきさまは遠くにいるんだから、そこまで届くように大きな声で？
- 夜なんだから、大声ではなく、小さく？
- どちらかというと心の声で？
- おつきさまには毎日会えるので「あ、どうも」的に日常の軽いあいさつ？
- まんまるおつきさまに偶然会えた！感動して思わず大きな声がでちゃった？
「こんばんは」のひとことでも、あなたの個性が出ますし、
日によって、またその時の気分によっても違ってきます。
また、おつきさまに対する普段の自分の思いによっても違いますよね。
- 月なんてただの天体のひとつじゃん
- おつきさまは神秘的！と神格化している
- まるで友達であるかのような親しみのある存在だ
などなど…。
カンタンな挨拶と思いきや、実はいろんな深読みができますね!
邪魔をするくもさんにクレーム!
だめ だめ くもさん
こないで こないで
おつきさまが ないちゃう
くもさん どいて
おつきさまの おかおが みえない
おつきさまを隠そうとするくもさんに必死の訴え。
さて、あなたが読むとどんな感じになりますか？
- 怒りながら？
- 手を合わせて嘆願するように？
- いたって優しく？
- 泣きながら？
ぎゃあぎゃあと激しく怒り狂って「どいて！」と訴え…
なんてこともさまざまな事情によりあるかも知れないシチュエーションですが
この絵本には合いません！(笑)
でも、そんなパターンもある、という練習ができますね！練習ではお思いつく限りのパターンでやってみましょう。
訴えられたくもさんは…
ごめん ごめん
ちょっと おつきさまと
おはなし してたんだ
では さようなら
また こんど
くもさんは どんなキャラクターでしょうね？
- ごめんごめん、なんて言うのだから 優しいくもさん？
- のんびりした、おじいちゃん、てかんじ？
- いや、シャキシャキしたおてんばな女性？
- なんだよ、おつきさまとちょっとおはなししてただけなのにぃ！とスネてしまってるかも？
本文にはほとんど情報がありません。だからより自由に設定が出来ますね！
あーよかった！どうよかった？
あー よかった
おつきさまが わらってる
まんまる おつきさま
こんばんは こんばんは
よかったって どれくらいよかったのでしょう？
- ホッとしたかんじ
- もう二度とおつきさまが見られないと思ったからホントによかった！
- もう！びっくりさせないでよ～！
などなど…考えればいろんなシチュエーションがどんどん出てきます。
で…だれが喋ってるの？
「よかった」と言っている本人は
いったい誰なんでしょう？
屋根の上の二匹の猫が言ってるようですが、明確には書かれていませんよねぇ。
その猫たちだとしても…
- ちいさい女の子？男の子？
- おかあさん？おとうさん？
- 若いカップル？
- 兄弟？
- 親子？
などなどなど…
情報がないぶん、ひろ～く想像を膨らませることが出来ます。
正解はありませんが、あまりにも絵本の持つイメージとかけ離れてしまってはダメです。
いかがですか？
さら〜っと読むことも出来ますが、「実はこんなウラ事情があるのかも？」と想像をめぐらせるのも楽しいですよね！
また、
他のひとの、自分とは違う解釈の読み聞かせを聴き比べてみるのも、「ああー！そういうバージョンもあるのかー！」とお勉強になりますよ！
ぜひ楽しみながらなさってみてください。
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