ぐりとぐら なかがわりえこ と おおむらゆりこ
おおきなたまごを見つけた時のうれしさってどれくらい?それを手で割ろうとして割れなかったときの痛みっていかほど?出来上がったかすてらのおいしさは?…想像をリアルにめぐらせてみて、より奥行きのある読み聞かせにしましょう♪
あらすじ
野ネズミのぐりとぐらが好きなのは、お料理すること食べること。森の奥でみつけた大きなたまごを使って巨大かすてらを作り、森中の動物たちみんなで食べます。約5分。
なんて おおきな たまごだろう
森でどんぐりや栗を拾い集めていたぐりとぐらが、巨大なたまごをみつけたシーン。
「やあ、なんて おおきな たまごだろう。おつきさまぐらいの めだまやきができるぞ。」
と、ぐりが言います。
それがどれくらいの感情なのか想像してみます。巨大たまごにすっごくビックリした…というほどでもないみたいですね。↑絵を見ると二人は笑顔ですので、ビックリより喜びのほうが大きいでしょうか。読み手も同じくらいの笑顔になって読んでみましょう。たまご料理への期待感が高まります!
おお、いたい!
森にキッチンツールを運んできて、現場でかすてらを作ろうとする二人。ぐりがげんこつでたまごをたたいて割ろうとしますが、涙を流して飛び上がって痛がります。そのときのセリフがこちら。
「おお、いたい!なんて かたいんだろう」
これは相っ当痛そうです!だって涙を流すくらいなんですから!涙がでるほどの痛さってどれくらいだと思いますか?想像するのが難しいというひとは、現実世界での相当痛かった経験を思い出してみてください。
たとえば、タンスの角に足の小指をぶつけた時…ドアに手を挟まれた時…どうなりますか?
まず、息が止まりますよね?「…っ!!」という感じでしょうか。くーっと、歯を食いしばりますよね?そしてひと呼吸してからやっと
「おお、いたい!」
という声が出せるのです。つまりこのときのぐりの「おお」は口を大きく開けてハッキリ言うのではなく、すぼめながらになります。ノドも締め付けられています。
つぎの「いたい」もハッキリ言うのではなく、歯をくいしばって「…っ!」と息を止めながら言って見ると、すっごく痛そうに聴こえますよ。
では「飛び上がって」痛がるくらい元気があるのなら、そこまで痛くないのかも?と解釈する場合。逆に大声でぎゃあぎゃあ騒ぐカンジで「いたぁい!っ」とめいっぱい叫ぶパターンも出来ますね。いろいろな「痛がり方」を想定してみてください。
かすてらを作っている間。においにつられて動物たちが集まってきます。
↑この馴れ馴れしさ好き♡
やあ、おいしそう
かすてらが焼きあがり、みんなが目を丸くして
「やあ、おいしそう!」
と、感心する場面。
これはひとりが言ってるのではなく、そこにいるみんなが「わーっ」と盛り上がって言ってるのでしょう。
なので「やあ、おいしそう!」の読み方は大勢で言ってる感じを出して。どういう風にするのかと言うと、たっぷりゆっくり読むとそれっぽくなります。
「やあ」ってどう読むのが正解なの?
みなさんが特に難しいと感じる表現は「やあ」ではないでしょうか。ふだん、「やあ、おいしそう」なんて言いませんもんね。言うとしたら「ぃやー!」とか「うわー」でしょうか?
「やあ」は文字にできないので、仕方なく「やあ」と表記されているだけ、と思ってください。叫ぶ時って「ひや゛〜!」とか「お゛ー!」って、漫画的な文字表現をするとそんな感じですよね。だからただ単に文字通り「やあ」とハッキリ読むのではなく、あなたなら、こんなときどんな声をあげるか思いだして、工夫してみてください。出した答え、それがあなたの中の「やあ」の正解です。
その おいしかったこと!
やっと出来たかすてらを食べることに関しては「その おいしかったこと!」としか書かれていませんので、この一文に「かすてらのお話はこれでおし~まい!」という締めくくりな気持ちも込め、おいしさMAXで表現しましょう。
ラスト10秒間!
最後のページに言葉はありませんが、焦らないで最低10秒はじっくり見せましょう。
読み聞かせに正解はありません。難しく考えて読み手が苦痛に感じる必要もありません。
感情を入れずに棒読みでさらさらっと読んでも、子どもは充分楽しんでくれますが
このサイトでは「ひとつ上の」、また「ひと味プラスされた」読み聞かせを目指しています。
掘り下げることで今までの解釈とは違ってきたり
登場人物のバックボーンが浮かびあがってきたりして、より面白味のある読み聞かせになると思います。
ぜひ、あなたなりの表現で楽しみながらやってみてください。
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