しろくまちゃん ぱんかいに
前回は、ひとつのセリフでも
いろんな背景を想定して掘り下げていくと
さまざまなシチュエーションが考えられます
という内容でした。
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今回は不朽の名作「こぐまちゃん」シリーズの
「しろくまちゃん ぱんかいに」から
セリフをひとつ抜き出して堀り下げてみましょう!
しろくまちゃんぱんかいに (こぐまちゃんえほん) [ 若山憲 ]
あらすじ
しろくまちゃんがおかあさんと一緒におつかいに行って
ぽすとにおてがみをだしたり
ながーいふらんすぱんをかったりしたあと
すべりだいをすべって
おうちに帰って買ったものを広げて
さあ、ゆうはんのしたくをしましょう
と、ざっくり説明するとこんな内容ですが短いお話なのでほぼこれがすべてです。
おかあさんとお買い物をしておうちに帰る前に
しろくまちゃんは すべりだいをするのですが
そのときのページがこちら↓
しろくまちゃんぱんかいに (こぐまちゃんえほん) [ 若山憲 ]
すうっと すべって
また すうっと すべって
すべりだい だいすき
あと さんかい すべったら
かえるのよ
前半はしろくまちゃんのすべりだいに対する「大好き」という想いですね。
このときのおかあさんの気持ちを掘り下げる
しろくまちゃんではなく
後半のおかあさんのほうのセリフを
掘り下げてみましょう!
ハイでは、声にだして読んでみてください。
あと さんかい すべったら
かえるのよ
どうですか?どんなカンジになりましたか?
オーソドックスなところでは
優しいおかあさんをイメージするでしょうか?
あたたかい、ソフトな口調で、口角をあげながら、呼びかけるでしょうか?
でも
おかあさんって とても忙しいですよね?
しろくまの世界でもきっと同じでしょう(笑)
お買い物をしたのだから
はやくおうちに帰って
ゆうはんのしたくをしなきゃ!と
ちょっとイライラしてたりするかも知れませんよね?
しかもこの絵本のさいごのページでは
おかあさんは、ながーいふらんすぱんのほかに
りんごやたまご、缶詰めも買っていることが判明します!
荷物が重そうですよね⁈
だからわたしのおかあさんの気持ちの解釈のひとつは次のようになりました。
「ああ、荷物も重いし
ゆうはんの支度もしなきゃいけないし
早く帰りたいワ…!」と
少しイラつきながらも、まあ相手は子どもなのだから
遠慮がちにイライラしつつ「はやく帰りたい」アピールをするのでは?と。
そうなると わたしなら
早口に、ちょっとぶっきらぼうな口調になってしまって
言ってしまうのではないか?と。
では、ぶっきらぼうに、言ってみてください
あとさんかいすべったらかえるのよっ…!
どうですか?リアルに近づきましか?
口をはっきり開けないで言うのがコツです(笑)
ほかには、もし肝っ玉かあちゃんだったとしたら?
すっごく大きな声で呼びかけるでしょうか?
それにもしかしたらおかあさん、
もう何回もなんかいも
このセリフを言ってるのかもしれません。
そうすると
💢あとさんかいすべったら、かえるのよーっ!
なんてもうキレちゃってるパターンも考えられますね(笑)
または真逆に、よその子羨からましく思われるくらい
めっちゃ子どもに甘いおかあさんならどんな口調になるでしょう…?
まとめ
いかがでしたか?
主役ではないおかあさんのほうにスポットを当ててみました。
おかあさんの気持ちはいろいろイメージしやすいし、リアリティが出るかもしれませんね!ぜひあなたならではのおかあさん像を築いてみてください!
読み聞かせに正解はありません。難しく考えて読み手が苦痛に感じる必要もありません。
感情を入れずに棒読みでさらさらっと読んでも、子どもは充分楽しんでくれますが
このサイトでは「ひとつ上の」、また「ひと味プラスされた」読み聞かせを目指しています。
掘り下げることで今までの解釈とは違ってきたり
登場人物のバックボーンが浮かびあがってきたりして、より面白味のある読み聞かせになると思います。
ぜひ、楽しみながらやってみてください。
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