おおきな木 シェル・シルヴァスタイン 訳 村上春樹氏 本田錦一郎氏
わたしが子どものころは本田錦一郎さんの訳でしたが本田さんが亡くなってから2010年からは村上春樹さんに。(出版社も違います)
あらすじ
少年が小さいころからともに過ごしてきた大きな木。少年が大人になっても無償の愛を与え続けます。約8分。
※以下、各画像上段が村上春樹訳 下段が本田錦一郎訳 色彩は画質の都合上、実物とは異なります。
村上春樹訳は、やわらかいイメージの文章ですね。
本田錦一郎訳は、素朴で原作に忠実な感じ。
村上訳「少年はその木がだいすきでした・・・」
本田訳「ちびっこは きが だいすき…」
わたしはやはり、本田訳になじんでいるので、好みで言えば本田訳ですが、
子どもに読み聞かせとなると、村上訳がわかりやすいかなぁ、という感じ。
本田訳は絶版で、図書館などでもめっきり数が少なくなってきています。もし、本田訳版に出会ったら、ぜひ読んでみてください。
読み聞かせのコツ
このお話は終始、感情を込めず、落ち着いたトーンでたんたんと読み進めていったほうがいいですね。木のセリフは一点の曇りもない、深い愛情をこめて。少年はぶっきらぼうな冷たいセリフに聞こえるかもしれませんが、そこはあまり強調しないよう注意しましょう。
子ども目線なら、「あんなに自分に尽くしてくれた木を!少年はひどい!」と思うかも知れませんが、オトナ目線なら、「うん、まあ、仕方ないね」という感想もあります。
作者が伝えたいのは木の少年に対する無償の愛。そこを理解するのには、聴き手の子どもには相当の時間がかかります。
少年が、木のアドバイスとはいえ、自分の欲望のままにその枝や幹を切ってしまう場面を、ショッキングなこととして強調して読み手が伝えてしまうと、最後の「木はしあわせでした」「うれしかった」でますますわかりにくく混乱を与えてしまいます。なのでここは難しいところですが、ヘンにエモーショナルにならないほうがよいです。
オトナになっても読み続けたい作品ですね!
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