いやいやえん 中川李枝子 さく 大村百合子 え
昼食も食べさせない。
嫌がっているしげるに無理やり女の子の服を着せる…。
「反抗する子にはおしおきよ!」的昭和のしつけ感性。
…という書き方をすると不愉快になりますが、作品は明るく楽しい保育園児のあるあるエピソードを、ファンタジーを織り交ぜ描かれている名作。「ぐりとぐら」の中川李枝子・山脇百合子(旧姓大村)姉妹コンビの作品。
あらすじ
ちゅーりっぷほいくえんに通うしげるは「手を焼く子ども」といったことろ。赤い自動車のおもちゃを「おんなのじどうしゃ」だからイヤだ、サンドイッチがいいからおべんとうはイヤだ、と言って反抗し、それなら、と先生が「いやいやえん」を紹介します。そこは、しげるのような子どもたちが集められ、いやなことはしなくていい自由な場所。それゆえに無秩序な状態…。178ページ。
主人公しげるの人物像
主人公の「しげる」はどんな子どもでしょう?まるで○○ちゃんみたいだね、と具体的にだれか知ってる子が浮かんだりするかもしれませんね。「ぬれた手で、はくしゅをしました」などのお行儀の悪い行動も、誰にでもひとつやふたつ身に覚えがあるでしょう。
やんちゃな子なんだけれども、あまり「クソガキ」にならないように表現しましょう!
ちゅーりっぷほいくえんの先生たちは正統派
ほいくえんの先生たちは、おしおきをするけれど、悪いひとたちではありません。ちょっとヒステリックに読みたいならコミカルに。やさしく読むと「正統派」な感じになります。怖くなり過ぎない程度に。
いやいやえんのおばあさんは…
「いやいやえん」にいる唯一のオトナであるおばあさん。いやいやえんは、いやなことはやらなくてもいいところ。
だから、赤いじどうしゃがいやだといったしげるのクレヨンには、赤がありません。お絵描きで消防車を描きたかったしげるは断念せざるを得ませんでした。おやつのりんごも赤いので、しげるの分はありません。気遣いとしては素晴らしいですが、しげるの本心は、そうではないですよね。でもそれは自分がしてしまった結果なわけです。しげるがおばあさんに抗議をするも、おばあさんはひょうひょうとかわします。
やりたい放題の子どもたちが流血するほどケンカをしても骨折しない限り放置(ここ!わたしの子育てと同じ感覚!笑)。
このおばあさんの言動はごもっともで、泰然自若としています。おばあさんの表現は、イカツクならない程度に、どっしりとブレない感じを出しましょう。
または、さらりと読んでもいいですね!暗いイメージにしてしまわないほうが、軽くて楽しいです。
子どもたちの好き放題、おばあさんは放置放題で楽しいはずなのに、やはり、ちゅーりっぷほいくえんのほうがおもしろい、としげるは思うのでした★
個人的感想
初版は1962年!わたしが小学生のとき、学級文庫に置いてありました。当時は「この主人公はいたずらが過ぎる!」と いう感想を持っていました(笑)オトナになった今なら、いたずらしたり、おともだちに手を出したり、子どもってそんなもんだよねーと客観的に見れますが、そこがリアルに描かれているからこそ、この作品には惹きつけられるのでしょうね。
いやいやえん (福音館創作童話シリーズ) [ 中川李枝子 ]
|
↓子どもたちを守りましょう!戦争反対っ!
↓押していただけると励みになります🙇