しろくまちゃんのほっとけーき
しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん) [ 若山憲 ]
はい!子どもはもちろん、オトナだって大好き「しろくまちゃん」シリーズから
とくに人気の高い「しろくまちゃんのほっとけーき」をさらに面白く読み聞かせするために、
「マジメに頑張るしろくまちゃん」をイメージしつつ、今回はあるひとつのシーンを細かく掘り下げていってみましょう!
ストーリー
しろくまちゃんがおかあさんと一緒にほっとけーきを作り、
おともだちのこぐまちゃんとおいしく食べて二人で後片付けをやる、というお話です。
とくにすごい事件が起こるわけでもなく、ただ、ほっとけーきを作って食べたという、シンプルだけどなぜだかほっこりする絵本です。読み終わったあとにはほっとけーきが食べたくなります!
たまごを落として割ってしまうトラブル発生!
序盤でほっとけーきの材料のたまごを冷蔵庫から取り出そうとするしろくまちゃん。そのページには次のセリフがあります。
しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん) [ 若山憲 ]
ひとつ ふたつ みっつ
たまご ぽとん
あっ われちゃった
たまごはどう扱う?
しろくまちゃんは、おそらく小さな子どもです。
でもきっと、たまごはデリケートなものだと知っているはず。
とすると、ササッと、オトナのように手際よく取り出せるでしょうか?
慎重に、ひとつひとつ、おそるおそる、たまごに触れるのではないでしょうか?
そうなると「ひとつ ふたつ みっつ」のセリフは
「こわさないようにしなきゃ!」という、しろくまちゃんの緊張感を出したほうがリアルです。
「ひとつ………ふたつ………みっつ………」
息を詰めて数えているかもしれません。それとも、
「ひとぉつ!ふたぁつ!みーっちゅ!」
数をまちがえまいと、確実にカウントにすることに集中するかもしれませんね。
いろいろな性格のしろくまちゃんを描いて、ご自身がしっくりくるしろくまちゃんをみつけてみてください。
今回のわたしの解釈はマジメに頑張るしろくまちゃん、ですので
ノーテンキなしろくまちゃんと解釈するかたは、ノーテンキに読んでくださいね
たまごを割ってしまったときの気持ちは?
気を付けようと思っているときに限って、やってしまうんですよね~!
たまご ぽとん
あっ われちゃった
たまごを床に落としてしまうって、オトナでも相当ショックですよ?
ノーテンキなしろくまちゃんなら、「てへぺろ♪」てな感じかも知れませんが
いやいや、小さな子どもって、けっこうこんなとき顔面蒼白になりません?
落としてしまった瞬間のしろくまちゃんの気持ちを想像してみましょう。
たまごが割れちゃって 悲しい。慎重にやってたのになんで?自分のバカバカ!
衝撃、悲しみ、怒り、落胆、わたしのせいじゃない、現実逃避……などなど。
子どもにしてみたら「たいへんな出来事」なんです。
わたしがしろくまちゃんだったら、「あっ われちゃった」が、涙声になっています。
だって、自分が思い描いていたのと違う結果になるってすごく悲しいんですもの。
「あっ」と言っているので、しろくまちゃんはびっくりしているのですよね。
ひとによってそのびっくりの度合いも様々。
「あーっ!」と読んでもいいですし
「ひぁっ!」と、息を吸い込みながら驚いてみるのも面白いですね。
「うぉう!」咄嗟にそんなふうに叫んでしまいそうです実際は。
今回のシーンのまとめ
いかがでしたか?たまごを落としてしまうしろくまちゃんのシーンを掘り下げてみました。泣き虫なしろくまちゃん、おこりんぼさんなしろくまちゃん…どんなしろくまちゃんが生まれましたか?
読み聞かせに正解はありません。難しく考えて読み手が苦痛に感じる必要もありません。
感情を入れずに棒読みでさらさらっと読んでも、子どもは充分楽しんでくれますが
このサイトでは「ひとつ上の」、また「ひと味プラスされた」読み聞かせを目指しています。
掘り下げることで今までの解釈とは違ってきたり
登場人物のバックボーンが浮かびあがってきたりして、より面白味のある読み聞かせになると思います。
ぜひ、あなたなりの表現で楽しみながらやってみてください。
しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん) [ 若山憲 ]
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