読み聞かせでやってしまってません?
小学校で習ったことは忘れましょう!
「、」で半拍。「。」で一拍、間(ま)をあける。
なんて、小学校の国語の音読で言われた記憶はないですか?
「、」や「。」は、文字にしたときに読みやすいように、と打たれているものなので、実は、読み聞かせや朗読時においてはクセものです。ここを忠実にやってしまうと、せっかくのお話も味気ないものに。
初心者のかたや、読むとどうしても早口になってしまうようなかたは、ゆっくり読むよう意識しますよね。それはもちろん問題ないのですが、あまりにも「、」「。」で意識してしまうと、語尾がヘンに上がってしまったり、子どもっぽい読み方になってしまったりします。
だからといって、たらたら繋げて読むの?てことではありませんよ。
ふだん、わたしたちはお話するとき、「、」や「。」を意識して喋りませんよね。
ゆっくり喋って!と言われた早口の人だって、「わたしは…ここで、てん、思った…ここで、まる」なんて、考えませんよねえ。だから、「、」や「。」なんてあると、話し言葉には不自然なのです。
自分の呼吸で読む
では、次の 「たいへんなひるね」のばばばあちゃんのセリフを例に見てみましょう。
「たいへんなひるね」 さとうわきこ作 より
この作品のなかに、ばばばあちゃんの「まあ、まあ、まちな」というセリフがトータル4回出てきます。
「まあまあ」ではなく、すべて「まあ、まあ、」と、「まあ」のあとに「、」が入っていますね。ちょっと…読みづらいなぁ、と思いませんか?これはたぶん、作者の意図として、おばあさんが泰然自若的にゆったりしゃべっている感じを表現しているのでしょう。ゆったりしゃべっているのだとしても、ただ機械的に「、」で切ってしまうと、棒読みな感じ丸出しになります。違和感なく読むには、自分の呼吸に合わせると、自然に聞こえます。
いろんなパターンを想定してみる
ばばばあちゃんは、どのように「まあ、まあ、」といったのでしょうか?わたしの読み方を文字に起こすとしたら「まあ~まあ~まちなっっ!」って感じですかね。わたしの描くばばばあちゃんは、きっぷのいいおばあさんだから、こんなふうになります。つまり、「、」や「。」は、音読においてはあまり意味をもっていないのです。
じゃあ、ほかには、例えば、穏やかなしっとりタイプのばばばあちゃんなら?やさしくソフトに「まあ…まあ…」かも知れませんよね。
文字にある「、」や「。」のせいで「なんとなく読みづらいなあ」と思ったら、あまり気にせず囚(とら)われずスムーズに表現できるまで、あれこれいろんなパターンを想定してやってみましょう~!
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