どろんこハリー ジーン・ジオン ぶん マーガレット・ブロイ・グレアム え わたなべ しげお やく
あらすじ
ハリーは、お風呂が大嫌いな黒いブチのある白い犬。
ある日、お風呂にお湯を入れる音がきこえてきたので、体を洗うブラシを庭にうめて、外へ抜け出しました。
どろんこになって遊びまくったので、汚れて白いブチのある黒い犬になってしまいました!
うちへ戻っても、家族がハリーだと認識してくれません…。
約6分。
読み聞かせのコツ①ハリーは白い犬である
ハリーは、くろいぶちのある しろいいぬです。
この冒頭の一文を覚えているオトナたちも多いのではないのでしょうか?ハリーがどんな姿の犬なのか、この物語のカギとなるところ。とくに「しろいいぬ」である部分を印象づけるように読みましょう。
読み聞かせのコツ②「あらら…」とか「えっ!?」という気持ち
ハリーは お風呂で使うブラシを、庭に埋めて隠してしまいます!
「あらら~!困ったワンちゃんだねぇ~!」
というニュアンスを含んだ読み方でもOKですし、
「えっ?そんなもの埋めちゃうの!?」
とビックリな気持ちが入ったりしてもいいですね。
読み聞かせのコツ③どろんこ遊びは罪悪感なく
さんざん遊んでどろだらけに汚れてしまうハリー。
オトナの目線からしてみたら、「あーあ!やっちゃったね!」とマイナス的思考になりがちですが、ハリーの表情は終始ごきげん!
なのでまだここでは「ハリーは楽しいんだよ!」という雰囲気を出しましょう。夢中になって遊んで後先考えていない、あの感じですね。
ほんとは くろいぶちのある しろいいぬなのに
しろいぶちのある くろいいぬになってしまいました。
ココが面白いですよね~!「くろいいぬになってしまいました」
このへんを強調しましょう。
読み聞かせのコツ④「へんないぬがいるよ」
おなかもぺこぺこになったので、おうちに戻ったハリー。
でも、家族からは
「へんないぬが いるよ。」
と、ハリーだとはわかってもらえません。
ハリーは いっしょうけんめい、
「ぼくが ハリーなんだよ」と おしえようとしました。
知ってる芸当を披露しても、
「なんだか ハリーみたいだけど、これは ハリーじゃないよ」
と、絶望的なことを言われてしまいます。でも、家族に悪気はないのであまり意地悪くなってしまわないように。
読み聞かせのコツ⑤かわいそうなハリー…
ハリーは、がっかりして、もんのほうへ
とぼとぼ あるいていきました。
かわいそうですねぇ…。聴き手も同じようにガッカリしてしまうシーンです。思いきってここでずーんと「悲壮感」を醸し出すのもひとつのテクニックです。「ハリー、どうなっちゃうの?」と引き込まれます。
読み聞かせのコツ⑦ガッカリから一転!
庭に埋めたブラシを掘り起こし、くわえてうちへ駆け込みお風呂で洗ってくださいとアピールするハリー。
子どもたちがブラシでこすって洗ってあげると…
「ハリーだ! ハリーだ! やっぱりハリーだ!」みんな こえを そろえて いいました。
家族の驚きをおおげさなくらい表現しましょう!聴き手は「ああ、よかった!」とホッとする痛快なシーンですね。
ハリーは、もとのように、くろいぶちのある しろいいぬになりました。
いったん、物語を軽くしめくくる感じに読みましょう。
読み聞かせのコツ⑧ラストで上級テクニック!
さっきまでのドタバタな空気とは一転、最後の1ページは「やすらぎ」感に変わります。
ここではトーンをガラッと変えてささやくように読んでみてもいいですね。
だって、ハリーはぐっすりて眠っているのですもの。大きな声は出さないで、そっと、お話をおえてみるのはいかがでしょう。
個人的感想
いかがですか?わたしも子どものころから大好きな絵本です♪単純なストーリーだからこそ、一度読んだら忘れられないお話ですね!
古い絵本なので、石炭で真っ黒になってしまう、なんて現代の日本ではなじみのないものが描かれたりしていて興味深いですし、でも古臭いのではなく、どのページを開いてもどこか懐かしくオシャレ♬
ハリーもかわいらしく描かれていて、一生手元に残しておきたい一冊です!
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